スポーツカーを購入したい方の悩みの一つとして、オートマチックトランスミッション(以下オートマ)の車を買うのか、マニュアルトランスミッション(以下マニュアル)の車を買うのかという問題があります。
近年はオートマ限定の免許を取得する男性も多く、6割以上の新規運転免許取得者がマニュアル車両を運転できない免許を取得しています。
しかし、その一方で、オートマのスポーツカーはださいという声も聞かれます。
スポーツカーはマニュアルでなければならない、本当の走りの面白さを楽しめない、といった意見です。
それも一理ありますが、少し遅れた考えです。
近年は、オートマ(DCTなど)のスポーツカーが発展しており、マニュアル車の負けず劣らずのスペックを誇っています。
そんなオートマのスポーツカーの良いところ、おすすめ車両をまとめました。
なぜオートマのスポーツカーはダサいと言われるのか
90年代前半までのオートマ車
90年代前半までは、一般大衆者にもマニュアル車がが当然の時代。カローラやサニー、シビックなどの車両もマニュアルが当たり前の時代でした。
なぜ一般の市民の方々もマニュアルの車両に乗っていたかというと、当時のオートマ車が性能が良くなかったからです。
1速から2速へのショックは大きく、オートマ車は故障が多いと言われた時代もありました。
この認識が今も強く根付いているのが欧州です。
現在でも8割程度の車がマニュアル車と言われています。欧州では車は移動手段であるという認識が強く、ラグジュアリーさや快適さは不要で、走ることにシンプルであれば良いという考えです。
そんな古くからの車の考えを持った方々が、速く走ることを目的としたスポーツカーが走りの質が伴わないオートマ車であることはありえない、と勘違いしていることがあります。
走り屋が流行った時代の名残り
80年代から排ガス規制がかかる2000年までは、走り屋が流行した時代。
夜になると、峠道や環状線などの高速道路、港などの広い広場にはたくさんの車を走らせて楽しむ人々が集まっていました。
そんな時代に、先に記したようなシフトチェンジによるショックや、走りたいギアや回転数で走れないオートマ車というのは問題外でした。
事実として、この時代にオートマのスポーツカーに乗っているとださい、かっこわるいと言われてたことは間違いありません。
時代の流れはオートマのスポーツカー
今やレーシングカーもオートマ車
近年ではレースに登場する車もオートマの車が多くなってきています。
例えば、日本最高峰のカーレースであるSuper GTでは、GT300クラスとGT500クラスともにオートマ車です。
(クラッチは存在しますが、エマージェンシーモードのみの使用となっており、基本的には使用しません。)
レーシングカーだけではなく、国産スポーツカーでもランサーエボリューションⅩやインプレッサWRXSTI、新型スープラがオートマ車をラインナップしています。
しかし、GTカーもランエボやインプレッサも普通のオートマ車ではありません。パドルシフトやセミオートマを採用しています。
パドルシフトとは
一見すると普通のオートマの車両ですが、ハンドルの左右についているレバーを押すことで、シフトをアップ・ダウンします。
パドルシフトの起源は、80年代後半のフェラーリです。シフト操作の効率化と操作ミスの削減による安全性の向上のために、F1に搭載されました。
その後、レーシングカーをはじめとして、一般大衆者にまで広がっていきました。
セミオートマ(AMT)とは
セミオートマやAMTは、クラッチ操作が自動化され、シフト操作はドライバーが行う車両のことです。
パドルシフトとの違いは、ギアの切り替え操作をシフトノブでおこなう点です。
セミATの歴史は古く1900年代から開発が行われてきました。
しかし、一般車に多く搭載されるようになったのは、ここ20年のことです。
国産スポーツカーで初めてセミオートマを採用したのは、三菱のFTOです。 近年では、トラックに数多く採用されています。
なぜオートマ車が速いのか
近年発売されるスポーツカーにおいて、オートマ車の方がマニュアル車よりタイムが良いという触れ込みの車は多数存在します。
これらの車はオートマが進化することによって、クラッチを切ってシフトチェンジすることよりも早く、ギアを変えられるようになったことが大きく関係しています。
例えば、日本が誇るR35スカイラインGT-Rはデュアルクラッチトランスミッション(以下DCT)を装着しており、わずか0.2秒でシフトチェンジが可能となっています。
DCTとは、奇数ギアと偶数ギアで別々のクラッチを持つ機構のことです。
このような技術が発展することにより、オートマ車のほうがマニュアル車より速いという時代が訪れたのです。
オートマのスポーツカーの良いところ
オートマのスポーツカーの良いところは主に3つあります。
- 誰でも運転ができる
誰でも運転ができるというのは、免許証の種類だけでなく、老若男女問わず運転できるということです。私も長年マニュアルのスポーツカーに乗ってきましたが、友人と出かける際にはどんなに疲れても運転を変わってもらえず、苦労した記憶があります。
- 初心者でも速く走れる
初心者でも速く走れるというのは、先に記した通りクラッチ操作が不要だからです。車に応じた、パワーバンドやギア比を覚えてしまえば、手軽に楽しく走りを楽しむことができます。
- 中古車相場が安い
オートマ設定のあるスポーツカーは、マニュアルのスポーツカーと比べて、価格が安い傾向にあります。スポーツカーといえば価格が高いイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、オートマのスポーツカーなら手ごろな価格で入手可能かもしれません。
おすすめのオートマのスポーツカー
【ラリーで鍛えた国産ハイパワーセダン】ランサーエボリューションⅩ(ランエボⅩ)
三菱自動車が世界に誇るハイパワー4WDの最終型。
三菱に脈々と受け継がれるWRCやパリダカで蓄積したノウハウを、すべて注ぎこんだ一台と言えます。
そんなランエボⅩの良さは、SSTにあります。
SSTとは三菱が開発したDCTの一種であり、奇数ギアと偶数ギアで異なるクラッチを装備しています。
SSTのダイレクトなシフトフィーリングはマニュアル車を凌駕しており、低回転域からもりもりくるトルクも走りも非常にパワフルです。
【外車のオープンカーで抜群の注目度】BMW Z4
Z4はランエボⅩとは異なり、トルコンATを搭載しています。
トルコンATとは、クラッチの代わりにトルクコンバーターがギアを変速するオートマです。
トルコンATといえば古いオートマというイメージが強いですが、近年はDCTより軽く、故障が少ないことから採用する自動車メーカーが増えてきています。
その強みは軽さだけでなくセットアップの自由度にあり、省燃費だけでなく、スポーツモードまでもがコンピューターで制御されています。
BMWはこのトルコンATに対して、これ以上のトランスミッションはない、と自信を覗かせています。
尚、新型スープラにも、同様のオートマが搭載されています。
自分に合ったオートマのスポーツカーを安く購入する方法
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ここまでオートマのスポーツカーの良さを紹介してまいりましたが、オートマのスポーツカーは市場にそう多いものではありません。
先に記したように、近年まで市場のニーズが高いものではなかったからです。
中古車業界には「在庫回転率」という考え方があり、「長期在庫」を嫌う傾向があります。
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※新着順を並び替えられるのは、web版のグーネットだけなので要注意!
まとめ(パドルシフトに感動した体験談)
私の旧友で、幼いころからスポーツカーが大好きな人がいます。
そんな彼が、はしめて買った車はDCTのゴルフGTIでした。
正直、オートマの車を買ったことを馬鹿にしてドライブに行った私でしたが、良い意味で裏切られました。
私のMT車より速く走ることができ、なによりシフトチェンジのレスポンス非常に良かったのです。
私のようにオートマのスポーツカーを馬鹿にしている、ださいと勘違いしている人は多いと思います。
しかし、今後は必ずオートマのスポーツカーが主流となる時代がやってきます。
もし、オートマのスポーツカーを味わったことが無い方がいらっしゃれば、一度お試しいただくことをお勧めいたします。
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