2019年、横浜でDeNAベイスターズは惜しくも優勝を逃した。
2位でレギュラーシーズンを終えたものの、タイガースの中継ぎ陣に全く歯が立たなかった上に、そのタイガースも阿部慎之助の引退で一致団結したジャイアンツに完敗した。
そして、雪辱を期す2019年シーズンに向けて、ベイスターズは大きな支柱を失った。筒香嘉智のメジャーリーグ挑戦である。
この大きすぎる穴を埋めるべく、MLBにて18年17HR、19年9HRの実績を引っ提げて来日した選手がいる。
彼の名をタイラー・オースティンという。
ここでは、ポスト筒香の一番手ともいえるタイラー・オースティンの経歴や成績、プレースタイルを動画を交えてご紹介いたします。
タイラー・オースティンのプロフィール
MLB通算33HR!メジャーでも上位の長打力をもつ28歳!
- 本名 クリストファー・タイラー・オースティン
- 出身地 アメリカ
- 生年月日 1991年9月6日(満28歳)
- 身長 188cm
- 体重 99.8kg
- 投打 右投/右打
- 守備 ファースト/レフト/ライト
- 年俸 1億円+出来高

アメリカ合衆国のジョージア州ロックデール郡コンヤーズ出身の28歳。
2019年シーズンは4月までツインズ、8月までジャイアンツ、その後はブルワーズに所属した。
プロ入りは2010年、ドラフト13巡目でニューヨーク・ヤンキースから指名された。
2016年にメジャー初昇格。8月13日に7番ファーストでスタメン出場すると、初打席初本塁打を放った。
尚、続くアーロン・ジャッジを初打席初本塁打を放ち、1試合2本の初打席初本塁打という、MLB初の快挙を達成した。
ちなみに、MLB初打席初本塁打を放ち、日本に来日した選手は6人目である。
- エステバン・ジャン(阪神)
- アレックス・カブレラ(西武)
- ヘクター・ルナ(中日)
- アンディ・フィリップス(広島)
- ジェレミー・ハーミダ(日ハム)
翌2017年シーズンは2本塁打に終わったが、2018年シーズンはヤンキースとツインズ2チームに渡って合計17本塁打を記録した。
タイラー・オースティンのストロングポイント
横浜スタジアムに適した、MLB屈指のフライボールヒッター!
タイラー・オースティンのメジャーリーグ今季成績は下記の通り。
打率 | .188 |
打席 | 154 |
安打 | 29 |
HR | 9 |
打点 | 24 |
出塁率 | .294 |
OPS | .705 |
上記成績からも分かる通り、安打の多くをHRが占める長距離砲。
なんと、フライボール率は43.7%であり、フライボール革命が進むMLBでもおよそ35パーセント前後であることを考えると、驚異的な数字である。
これは、狭い横浜スタジアムに合致した打球傾向と言える。
MLBのHR王級の打球測度!
オーステインのもう一つの魅力が、打球測度である。
MLBにて導入されているデータ解析ツール「Statcast Search」の情報によると、なんとストレートを打った時の打球の速さは平均で95マイルを記録している。

打球測度やランチアングル、95マイル以上を記録した打球測度の割合は、2019年MLBでHR王を獲得したホルヘ・ソレア級である。
タイラー・オースティンのウィークポイント
35パーセントを超える高すぎる三振率!
オースティンの一番のウィークポイントはコンタクト能力である。
MLBでの三振率は下記の通り。
- 2016年 40.0%
- 2017年 37.0%
- 2018年 35.4%
- 2019年 37.4%
MLBにおける平均三振率がは25%程であり、オースティンが活躍した2018年シーズンのワースト三振率はシカゴ・ホワイトソックスのデビットソンで、39.3%である。
※ ヤンキースのジャッジが36.1%で2位
この数値から、打席数が少ないオースティンがどれだけ三振率が高いかがわかる。
しかし、2019年シーズン前半戦は三振率が40.6%であったが、後半戦は28.3%を大きな改善が見られたため、来期の大爆発も期待できる。
オースティンは直球に強く変化球に弱い!
MLBでの通算成績を見てみると、フォーシームの通算打率は.262であるものの、スライダー系は.153に留まっている。
先に挙げた三振率も、フォーシームが34.5%であることに対し、スライダーが42.1%である。
リーチが短く、低めの変化球の打率がかなり悪いため、ボールになる変化球の見極めが活躍の鍵となりそうです。

タイラー・オースティン選手の活躍予想
先に挙げた通り、オースティンの活躍の鍵は、低めの変化球の見極めである。
日本に来日する外国人選手の多くが苦戦するポイントであり、オースティンもその一人と言える。
しかし、2019年シーズンは前半から後半にかけて三振率が改善しただけでなく、四球率も大きく改善した。
- 2019年前半 四球率12.0%
- 2019年後半 四球率17.4%
これは、見極めが良くなってきている証とも取れるのではないであろうか。
ベイスターズファンの一人として、タイロン・ウッズのような破壊的なホームランを連発するオースティンの姿を想像してやまない。
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